当院では白内障の手術を実施していますのでその概要を御紹介します

白内障になったらどうすればよいか? これには決まった答というものはありません。犬は人間に比べると生活範囲がせまくまた嗅覚が優れているので,たとえ盲目になっても人間が思うほどは不便を感じないかもしれません。あるいは逆に,たとえ盲目にはまだなっていなくても,曇りガラスをすかしてみるような状態は生活の質を下げるだろうから何とかしたいと思う飼い主さんもいるでしょう。また,完全に盲目になったら治療してあげたいと考える人もいるでしょう。この場合手術によっって白濁部分を取り除く事が唯一の治療方法になります。
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瞳の奥の水晶体(レンズ)という部分が白く濁って視力が低下する病気です。白く濁る原因としては,老齢性の変化のほか,遺伝性,糖尿病,ぶどう膜炎など他の目の病気に続発するもの,眼の外傷など様々なものがあります。いずれの原因であっても,水晶体の蛋白質の変性という組織学的な変化はいっしょです。ちょうど卵の卵白に熱を加えて白くなった状態に似ています。いったん白く濁ってしまうと元通り透明に戻す事はできません。白濁が水晶体全体に広がると失明してしまいます。

白内障とは?

白内障手術

白内障になったら?

白内障手術を受けるためにはクリアしなければならないいくつかの問題があります。   

一番大きなのはやはり費用の問題かと思います。犬の白内障手術は人の場合と異なり術後合併症の発現率が高いといわれています。それは水晶体が非常に固いため人間に比べると手術時間が長くなる為です。そのため術後は5日間の入院による治療が必要になります。また、特殊な器具,機械,薬品,技術が必要になる為どうしても費用は高額になります。術前の検査,手術料,入院費,薬品代などを全てあわせると,30万円くらいかかります。

次にワンちゃん自身の問題があります。ひとつは性格の問題です。術前術後と点眼を主とする集中的なケアが必要となりますので,あまり協力的でないワンちゃんの手術は難しいです。また健康の問題もあります。他の眼疾患,全身疾患を伴っていない事が手術の条件となります。

最後に飼い主さん自身の問題があります。手術後5日間は入院治療になりますが,その後は自宅で管理をしてもらいます。エリザベスカラーをつけた状態で約1ヶ月間過ごします。その間毎日7〜8回の点眼が必要ですので,時間的な余裕のある人の献身的な看護が不可欠となります。

白内障手術

手術手順

その穴から,超音波水晶体乳化吸引装置という特殊な機械を用いて水晶体の中身を破砕しながら吸引します。

一番外側の角膜を切開したあと,水晶体の表面の前嚢という部分を切除し穴をあけます。

中身をくりぬいた袋状の水晶体の中に動物用の眼内レンズを挿入します。

最後に切開した角膜を縫合して終了です。

以上が白内障手術の簡単な手術手順です。全ての処置は全身麻酔下で行われます。

白内障手術を希望される全てのワンちゃんが手術の適応症例となるわけではありません。また手術を受ける時期などもよく飼い主さんと話し合う必要があります。ですのでワンちゃんの白内障が気になる方は一度来院して診察を受けられてください。